こや

[つまみ読む生活]vol.25 体の中に入れちゃって、奪われないようにして

Column

「おはよう」のあなたも、「こんばんは」なあなたも、こんにちは。第25話です。

最近、オンライン英会話を始めました。突然といったら突然だけど、「5年くらい前から思っていたいつかが今きたか〜」という感じです。そんな私も、今年25歳になり人生100年のうち1/4が終了しました。これまでが初期だとしたら「誕生〜成長の日本編」で、先50歳までの中期は「独立〜波乱の世界編」といった感じにしたいものです。

さて、この世界で英語を話すことができる人は約15億人(諸説あり)だそう。私がオンライン英会話をちゃんと続けて習得すれば、今後関わる可能性がある人間が15億人も増えるということになります。まだ見ぬ未来のパートナーが外国人かもしれなくなり、日本ではないどこかで暮らしている可能性が高くなりました。これってすごいことです。

「この先の人生、世界編になるかも!」と心おどらせる金曜日の23時です。

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今の私は、時間がたんまりあってこれまでにないほどに好奇心旺盛です。そんな状態にちょうど生誕25周年がぶつかり、人生の中期が始まろうとしています。何かを始めるには、もってこいなタイミングではありませんか!そして、今後どう生きたいか考えるのに大きな影響を与えているのが、カルチャーの存在です。

英会話を始める最後の一押しをしたのもアニメがキッカケでした。『BANANA FISH』『BLACK LAGOON』『GRATE PRETENDER』を立て続けに観た時に、ハッとしたのです。この3作の共通点が、舞台は海外で主人公は日本人だということに。「アニメ見てると日本語だけど、よく考えたらこれ、本当は全部英語だな!?」「話せなければ、物語は始まりもしないのか……」という事実が謎にグサッと来て、その瞬間にレッスンを申し込んでいました。

他にも、『ピアノの森』をキッカケに、10年間ホコリをかぶっていたアップライトピアノを調律することに決めました。3歳から14歳まで習っていたのに、今や暗譜して人前で披露できる曲がないことを急にもったいなく感じたのです。「一曲でもいいからショパンを完璧に弾けるようになりたい」という目標が出来ました。世界中の誰でも知っているショパンを弾けるなら、世界編で役に立つに違いないでしょう。閉店後のピアノ・バーで、ノクターンを人知れず弾いて哀愁漂わせたいですもの。

前々から「私と言ったらこれ!という一品が欲しい」と思っていたのですが、『かもめ食堂』をキッカケに、シナモンロールの練習をするようになりました。こちらも世界編で役に立つに違いないでしょう。隣に住む老夫婦の結婚50周年パーティーにお呼ばれしたら絶対持って行きたいですもの。

どんな作品を見ていても、「このスキルも身に付けたいな〜」と思うようになりました。ずっと何かしら見ているから、ずっとそう思っているのです。動機が憧れだと、吸収力が違います。学生時代の勉強とは全く違う。いつかのためが、になった瞬間、やる気が出る。

多くの人がこだわっている、若さとか美しさとか地位とかお金とかそういうものって、いくら努力しても(時には不可抗力で)簡単に崩れてしまうもので、私はその事実に何度か絶望してきました。でも最近は、だったら、体の中に入れちゃって、奪われないようにすればいい のだと気づいたのです。豊かな心も、誰かを守る知性も、世界に通用するスキルも、体の中に保存できる物です。

私含め、コロナによる不自由が増えて自分の人生が止まってしまったように感じる人が多いんじゃないかと思います。だけど、素晴らしい作品も、あらゆる情報も綺麗な花も美味しい食べ物も、手が届くところにゴロゴロと転がっていることを忘れてはいけません。家にこもっていたって新たな人間関係が始まらなくたって、体の中身を変化させることは可能ですから!

“ 自分が摂取するものを選べる ” ということは最大の幸福だと思う。

そして、それにちゃんと気づいて動けるのはとても賢いことだと思う。つまり私はとても賢い!

食べ物と同じで、なるべく質の良いものを選んでいきたいし、栄養みたくモノにしたい。昨日よりちょっとマシになるように生きていれば、歳を取るのも悪くないな。

独立と波乱の世界編へ、いざ行かん。

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「つまみ読む生活

食べるように読み、吐くように書きます。ここ3年、1年おきに人生がガラッと変わってる。

こや