こや

[つまみ読む生活]vol.31 等間隔に餌を置いて

Column

「おはよう」のあなたも、「こんばんは」なあなたも、こんにちは。第31話です。

自粛生活も2年近く続くと慣れてきて、それが当たり前の生活になってきましたね。はじめの方は「今は仮の生活なんだ」って思っていたけど、最近は、そういう時代の中にいるってだけだなという感覚になりました。バブルとか戦時中とか江戸時代の飢饉みたいに。「仕方ないじゃん、そういう時代なんだから。出来ることやるしかないっしょ。生まれる時代は選べないんだから」って天の声が、私にだけでなくきっと多くの人に聞こえてきているような感じがする木曜日の14時です。

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最近、小さな事と大きな事を決めました。

小さな事は、25才の誕生日に金髪にすること。高校の文化祭の時に金髪にして以来です。あの時、髪色が変わっただけで無敵になったような気分でした。「またいつかやりたいな〜」って思っていたけど、あれから約10年。恐ろしいです。突然「今やらなかったら、もう一生金髪にしないだろうな…」と思い、決めました。

後回しにしてきたけど行動自体は難しくないことって、結構ありますよね。

今、退屈で仕方がない毎日なので、思いついたものから実践することでなんとか楽しくやっています。(オンライン英会話とか、ゲームとか)

大きな事は、私のアナザースカイを決めたことです。

第25話で

“これまでが人生の初期だとしたら「誕生〜成長の日本編 」で、先50歳までの中期は「独立〜波乱の世界編」といった感じにしたいものです。”

と書いたのですが、その“世界編”の第一歩として、コロナが落ち着いたらドイツに行くことにしました。まずはビザなしで滞在できる3ヶ月ほど。帰りたくなったら途中で帰るし、まだ足りないようなら延長しようと思います。

今までは愛犬がいたり結婚してたり、自分に合う仕事を決めかねていたりと、日本の地面を踏ん張って生きる理由があったので、軽々しくどこか遠くへ飛んで行くなんて考えもしませんでした。だけど今の私には、良くも悪くも何にもないのです。もうこりゃ行っちゃうしかないでしょう。

…と思いつつも、特に思い入れがある場所がなかったので、どこに行こうか決めかねていました。

そんな状況で、ドイツに住んでいる友達と久々に電話をする機会があったので色々聞いてみました。旅先を決めるキッカケのみ不足していた私にとって、彼女の話はとても魅力的で、電話を切る頃には「ドイツにしよう」と決めていました。選択肢にも入れてなかった場所だったけど、だからこそいいな。現地に友達がいるのはかなり心強いし。そういえば、ドイツに関りのある知り合いが5人くらいいるし、縁があるかもしれない。

目的は、ありません。留学したいわけでも修行したいわけでもないです。ただ、暮らしてみたいのです。出会うはずもなかったような人やモノに触れたい。そう遠くない未来にドイツで暮らしているかもしれない…って思うだけで、毎日がちょっと楽しくなりました。しばらくは何かを楽しみに生きていけるなって、やっと思えたのです。

手が届きそうなところに等間隔で餌を置いておくのって、とても大事なのかもしれない

一つ一つ拾っていって、腕の中が宝物でいっぱいになって、ふと目の前を見ると、最後そこが天国であって欲しいものです。

あ、それの一番小さな事って、次のご飯に何食べるのかを決めることかも。あはは、ほんとの餌ですね。

朝起きて、「今日のお昼は絶対マックがいい」って思うと、それ食べるまでは何がなんでも死ねないですもの。その後「あ、食後にコーヒーが飲みたい。家に帰ったら自分でゆっくり淹れたいな。ケーキ屋さんに寄っちゃお」とか思うと、帰り道歩くのもめんどくさくなりませんもの。

だから、なんにもない時には後回しにしてきた小さなことを、そして近い未来には大きなことを餌にして、生きていきましょうね。

今回はこの辺で。ごちそうさまでした。

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「つまみ読む生活」
食べるように読み、吐くように書きます。ここ3年、1年おきに人生がガラッと変わってる。
こや