[嘘のたべもの]vol.9 レモン・スパークル

Column

無農薬のレモンが二つで100円だったから、レモネードを作ることにした。

レモネードの作り方はよくわからないが、とりあえず「砂糖漬けのレモン」を作った。はちみつはまだ入れてない。持ってるけどね。

ホイル焼きが食べたかったので、シャケも買ってみた。しかしアルミホイルを持っていなかったので、タジン鍋で蒸し料理を作ることにした。

玉ねぎとキノコとシャケ、クスクス、そしてレモンとバターを乗せて蒸して食べた。うまっ。天才かって。超弱火でやったのがよかったのだろう、シャケがふわふわで、まったくパサパサしていなかった。しかもレモンがおしゃれだよって。レモンの入った料理に憧れていたから、一年越しに叶って嬉しかった。

自分の作った料理はいつもたいして美味しくないが、これはかなりいい感じだったので記録に残したい。翌日ビーフシチューを焦がし鍋の底が漆黒になったが、こんなわたしでも美味しい料理を作れるのだという自信を持ちたいから、この記憶を文字に…。

とにかく、無農薬のレモン、すげ〜よって。

ちなみにレモンシロップも順調にフレッシュな酸味と甘味になっていて、紅茶に入れて飲んだりしている。炭酸水も買わねば。

全然関係ないが、先月に志願して大阪での応援看護師となった友達が「四季のBPMが速すぎる」と言っていた。「みんなテクノとかハウスとか速いのを聴いて、爆発したあとはルーツレゲエに戻る。ルーツレゲエに戻れ!!」と、電話口でそんなことを言っていた。

例年より一ヶ月も早いような梅雨だけれど、さわやかな酸味さえあれば、こんな日でもなんらかのフレッシュが味わえる。フレッシュだ。大いに結構。

わたしたちは、過去から流れている時間を生きているだけではない。レモンを媒介して、未来から夏が少しずつ流れてくる。未来から逆行してやってくるメッセージ。まだ見ぬ夏がここにある。