こや

[つまみ読む生活]vol.33 美より好み

Column

「おはよう」のあなたも、「こんばんは」なあなたも、こんにちは。第33話です。

前回のお話を見返したら、2021年のクリスマスでした。そして今は2022年の5月。書くことが出来たら書こう……と考えているうちに半年も経っていました。私の人生、今、何も起こっていない。まったく恐ろしいったりゃありゃしません。半年間、一体何をしていたのでしょうか。すぐに思い浮かぶ事と言えば、『ナルト』のアニメ720話と続編の『ボルト』(現在進行中)250話を見終えたくらいでしょうか……。いやあ、「歳を取るにつれて時間が経つの、早く感じますよね〜」って話をしたいんじゃないんですよ。書くことがない、じゃあないんですよ、なんでもいいのですよ。書けば、なんでもないことも形になって残るのだから。なんでもない事こそ、残さないと忘れちゃうからね。

********************

さて、最近は久々に何かを頑張っています。何度目かのダイエットです。悲しいことに、20歳の時から10キロ近く増えてしまいました。「突然5キロ増えた」とかではなく、5年かけて徐々に増えていったので、「育った」と言う方がしっくりきますね。体に定着して居座っている肉って、簡単には落ちなさそうですよね。落ちやすい脂肪とそうでないものがあるのか知りませんが。

所持しているデニムがことごとく入らないし、服が似合わないです。なんだか全体的にビジュアルの調子が悪いです。ショーウィンドウに映る私、不意に撮られた写真に映る私を見て、想像していた自分とのギャップに驚かされる。「あんた誰?私、本当はもっと可愛いんだけど……?」となるほどに。

ここ数年は、大体3ヶ月おきにダイエットを決意するフェーズに入るのですが、ちょっとだけ痩せて、気が抜けて戻ってを繰り返しているので、“3キロ太って2キロ痩せる(3歩進んで2歩下がるみたいな!)”って感じで、「おかしいな?結局増えてるな?」という状況でした。そうやってすくすく育ちました。


太っていようと痩せていようと人間の価値が変わるわけでないのは分かっているし、どんな体型だろうと、違った美しさがある。美味しいものを好きなだけ食べられるってすごく幸せで豊かなことなのに、その先にある「体型の変化」だけが嫌なのって、矛盾しているとも思う。 体型ごときで悩むなんてナンセンスだよな。今時。


とか思うのに、とにかく痩せたい。

なぜ痩せたいと思うのだろうか?なんのために?誰のために?毎回この思考に陥る。ダイエットを決意して初めの方は頑張っていても、この思考が一度始まるとダメだ。取り組んでいることが、しなくてもいい我慢や努力に思えてくる。さらにこの答え(もしくは逃げ道)がボディポジティブに繋がっていくと思いきや、そういうわけでもないのが厄介。

むしろそのムーブメントが流行っている時は、脅されているような感覚になっていました。

「納得してない体を愛するの、私には無理です…..愛せなくてごめんなさい」って。

調べたら、今は「ボディ・ニュートラル」って言葉もあるらしい。ポジティブな気持ちもネガティブな気持ちも受け入れよう!ってことと、見た目の話は置いといて、この体と機能に感謝!という感じらしい。(個人的な解釈です)

うーーーーーーーーーーん。それもなんか違う…….んだよなあ。

今、色々な人が誰かを救う言葉を作り出そうともがいているんだなと感じる。私だったらこれをどう表現するだろうか、と考えてみる。

けど、なんかもう、好きにしたらいいんじゃないですかね?しか出てこないな!


自分が持っている価値基準に自信がないから、あれやこれや悩んでしまうし、「こうであるべき」ムーブメントに引っ張られてしまう。まずは、どんな状態の自分が“好き”かを知る事が大事なんだろう。一旦外部を無視して。その後に、自分好みの自分になれるように努力したり身につけるものを選べばいいのではなかろうか。

ていうか、そんなこと昔からみんなやってるな。シンプルかつ原点じゃん。何周も回ってこれだわ。「セルフラブ」でもない。そこまでいくほどの素敵さも必要ない。

「私好みのファッションが、たまたま細身の体に似合うから痩せよう」
「パンツにお肉がのっかるの、邪魔だからいらないな。無いほうが過ごしやすいな」
「面積が狭い方が、ボディクリームの消耗が遅くてエコ」

みたいな感じでいいんだろうな。それならしっくりくる。今の私は細めの自分が好みだから痩せたいんだ。それ以上も以下もありませんでした。終わり!

どっかのタイミングで、太めの自分が好みになる日も来たっていいよね。好きにしたらいいよね。みんなそうしたらいいよ。ひとまずはダイエット、続けてみよう。なんだかスッキリした。


********************

「つまみ読む生活」
食べるように読み、吐くように書きます。ここ3年、1年おきに人生がガラッと変わってる。
こや