[嘘のたべもの]vol.4 茹で

Column


料理はきらいだが栄養はとりたいな、と思っているのでスーパーで白子を買った。
n週間に1回くらい食べている。

白子はグツグツとやってはいけない。しっかりグツグツさせてしまうと…
よく言えば、デザートローズ(石)って感じのミチミチした見た目になってしまう。

ある日、白子をグツグツとさせてしまい、見た目がかなりキモくなってしまった。

白子はもともとかなりキモい形だし、よくこれを食べようと思ったなって冷静に感じることは多い。
「食べ物」ではなく、「一部」っていう感じだ。

そもそも、グツグツさせる前からキモいじゃん。
「一部」っていう感じが強すぎる。

わたしたちが普段当たり前に食べている動物たちは生き物なのであり、決して食べ物ではないってことを思い出させてくれるのが白子だ。わたしは白子にその役割を担わせているのかもしれない。気づきのトリガーとしての白子。そこに降り注ぐ感謝。

さて、そんな気づきとしての存在を、わたしはことごとくキモくしてしまったわけだが…。

そうこうしているうちに、前回登場した手拭き紙大量購入の友人と通話がはじまり、わたしはそっと、白子をキモくしてしまったことを告げた。友人は「見たいっす。」と言った。

「えっ(驚)。かなりキモいよ。写真を送ったら、次LINEを開いたときにまた目にすることになるよ。」「いいっす。結構、好きなんで。」

好きなんだ…。

では、と送った。友人は「キモい!!」と言いながら笑っていた。

そのあと、白子のことは一旦忘れて様々な会話をした。オススメのイラストレーターの話などになり、「リンクを送りますね」と友人。

「ウワッ!!くそキモ脳みそ!!」

LINEを開いてしまった友人は、まんまと白子を見ていた。ナチュラルに引っかかっていた。

そして後日、友人はTwitterで「白子調理してえ〜」とつぶやいていた。

[嘘のたべもの]

名前:づ
手間をかけずに栄養をとりたいと考えている。
げんきなときと、そうでない時がある。
謎犬愛好家です。