こや

[つまみ読む生活]vol.16 パンを焼いてみる

Column

「おはよう」のあなたも、「こんばんは」なあなたも、こんにちは。第16話です。

最近は実家の片付けに精を出しています。収集癖のあるお父さんと、なんでも多めに持っておきたい備蓄癖のあるお母さん、そんな両親の共通点は、「物を捨てられない」ということ。

その間に生まれた私は、一つ買ったら一つ手放すくらい潔いです。片付けも大好き。綺麗好きだと思っていましたが、それとは少し違くて、「物が同じ大きさや色味で揃って配置されていることが好き」な性格のようです。

というわけで、小さい頃から私は家の整理整頓アドバイザーでした。

自粛生活の今、時間があるので片付けまくっています。片付けって、体を動かすし、綺麗になるし気分がいいし時間が潰せるからほんと最高〜。今日も片付け頑張るぞ!な月曜日の10時です。

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先日、物置きの整理していたらパン焼き機パン捏ね機が出てきました。

どうやら私が幼稚園生だった頃、お母さんはパン作り教室に通っていたらしい。

そして後日、母の部屋の本棚を片付けていたところ、そのパン作り教室のレシピノートが出てきました。またまた後日、なぜか洗面台の奥からパンを発酵させるためのトレーも出てきました。ドラゴンボールのようにして、いたるところからお家でパンを焼くのに必要な道具が揃っていったのです。

いい加減やることがなくなってきた私にとって、それらは光り輝くおもちゃでした。

「よし、やってみるか」ということで、レシピノートを見ながら何を作るか考えます。初めてのパン作り、何が簡単で何が難しいのかさっぱり分かりません。

アンパン、食パン、カレーパン…ジャムバタチーズ だだんだ〜ん…

うーん、もっとこうテンション上がるやつを作りたい。たくさんの種類のパンを作れるようになるよりも、定番の一品が自分に欲しい!!難しくなくて、でも少し凝っていて、みんなが好きなやつ。おばあちゃんになってもずっと同じ味で、「こやちゃんと言ったら〇〇パン」みたいな…!!

そして浮かんだのが、シナモンロール。

シナモンロールといえば、私の中では映画「かもめ食堂」。さっそく鑑賞しワクワクを増量させる。何度か巻き戻して形や手順をなんとなく頭に入れる。

そして、材料を揃えて準備オッケー。使うのはパン捏ね機。パン焼き機は食パンの形をしていたので、今回は出番ナシ。焼くのはオーブンでいきます。

材料を捏ね機に入れて蓋をしてスイッチオン。ガタンゴトンと混ざっていきます。粉っぽさがなくなってきたら、蓋を開けて激しく回る生地を眺める。これがシュール。いつまでも見ていられる…。15分ほど捏ねたらまた蓋をして30分放置。これが一次発酵とやら。その後、ボウルに移してラップをかけてベンチタイムとやらを経る。

待ち時間長いな…。本当にこれ、混ぜて放置してるだけだよなあ。大丈夫かなあ。と思いながら、生地から目を離し、洗い物をしたり次の準備をする。そしてしばらくして生地に目をやると、めっちゃ膨らんでいた!!!見ないうちにこんなに大きくなって…。

かわいい

ツヤを帯びてふっくらした生地を手に持つと、赤ちゃんみたいな、おっぱいみたいな…柔らかくて優しくてなんかうっとりしてしまう触感…。パン作りって感動の連続。

「この状態のままずっと持っていたい」と思いながらもシナモンロールを作るという目標を思い出し、めん棒で引き伸ばし、シナモンとグラニュー糖、砕いたナッツとレーズンを混ぜて生地に敷く。くるくる巻いて、等分する。おお、完成が見えてきた。そしてまた放置して仕上げ発酵。その間にオーブンの予熱と片付けをする。30分くらいしてから見ると、また膨らんでいる…

かわいい

「私たち、今一緒に成長しているのね、絶対に美味しくするから!」と念を送りながらオーブンへ。焼くのは15分。意外とすぐ焼けるのね。ピーっとオーブンが焼き上がりを教えてくれる。わかるよ。もういい匂いしてるもん。見なくても、わかるよ。と思いながらオーブンをオープン。

かわいい!!!

またまた膨らんでいらっしゃり、シナモンの香水を纏った美しく、グラマラスなシナモンロールが完成しました。初めてにしては上出来。しかし、よく膨らんだなあ。私が知ってるシナモンロールよりも、ふくふくムチムチとしている。大きいパンっていいですよね。

少し冷ました後、パウダーシュガーをお水で溶かしてかけると、シナモンロールらしさが一気に増しました。味の方は、とっても美味しかった。これからも定期的に作っていきたいものです。 

パンを作ってわかったこと:パンってかわいい

今回はこの辺で、ごちそうさまでした。

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