[つまみ読む生活]vol.17 お腹が痛い
「おはよう」のあなたも、「こんばんは」なあなたも、こんにちは。第17話です。
本ばかり読んでいると、どんどん詩人になっていく感じがします。摂取したいものだけ手にとっていけば、視野はどんどん狭くなっていくものだと思っていたけれど、最近は、否応無しに情報が蔓延するテレビやネットに巻き込まれる方が自分を狭くしているような気がしています。気力がない時ほど、転がっているものや与えられたものを受け入れるだけになって、本当に必要なものが選べなくなるんだと実感しています。目の前にあるもの、手の届く範囲のこと、それと向き合っていればいいんだ、というのが散々考えてきた様々な事の答えなのかもしれない。
そんなことを考えながら、花粉の予感も察知して、マスクの下が大惨事になるであろう数週間後の自分を可哀想に思う金曜日の12時です。
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年が明けてから、たまに動けなくなるほどの腹痛が私を襲うようになり、それが毎日になり、毎食後になり、大変な日々が2週間ほど続き、毎日疲れて果てていました。
初めのうちは、「ずっと家にいるからお腹痛くなっても寝て耐えればいいや〜」と思っていたけれど、ご飯を食べる度に痛いのは、普通の生活とは言えない…。お腹が痛くない隙に病院へ行くと、「変なところがあるとすれば、ガスが溜まっているくらいですね」と言われ、「そんなこと?」と納得がいかなかったけど、とりあえずお薬を貰いました。
しかし数日経っても良くならず、また病院に行くと「じゃあ、胃カメラ検査をしましょう」となり、初めての胃カメラ検査を受けることに。
どんなに体調が悪くても食欲だけはあるのが私の良いところですが、今回は良くない。ラーメンが食べたくても、ケーキが食べたくても、食べたら痛くなるに決まっている。この状況はとても辛い!なるべく負担をかけないように、おかゆ・ゼリー・白湯で毎日をやり過ごしました。好きなものを好きなだけ食べられるってどんなに素晴らしいことか!!
しかし、胃カメラを3日後に控えた日、突然痛みが来なくなり、なんともなく過ごせてしまいました。「なんだ、治ったじゃん。胃カメラ受けたくない」と思いつつも原因がわからない限りまた痛くなるかもしれないから、質素な食生活は変えずに検査に挑みました。
痛くて怖いイメージがある胃カメラ。緊張して仕方ありませんでした。眠れるはずの麻酔は効かず、ぼんやりした中で確かにきついシーンはあったものの、思ってたよりも早く終わりました。
画面に映る、自分の食道・胃・十二指腸。あまりに綺麗でびっくりしました。異常がどこにも見つからなかった、というオチ……。
まあ綺麗な内臓で何よりです。でもこんなに健康な内臓を持ってして、痛くなるのはなんなのか。いまだに謎なので、それはそれで怖いです。
「ストレスかもしれないですね〜」とぼんやりした診断を受けたけど、ストレスフリーな生活をしているし、納得もいかない…。コロナ禍でそりゃあストレスは感じてるけれど、そんなこと言ったら皆がお腹痛いはずだしな…。
今回をキッカケに、自分の食生活を見直して見ると、脚を組みながらご飯を食べたり、食い意地に身を任せた早食いをしていたり、間食に小麦粉たっぷりのお菓子を毎日のように食べていたり、明らかな運動不足だったりと、好ましくないことがジワジワと重なっていました。診察の時に報告するために、何を何時に食べたのかを思い出して記録してみたら、こんなに食べてたのか、とゾッとしました。
美味しいものを好きなだけ食べるためには、
食べることにもっと誠実な態度で挑むべきである
心に刻みました。
「お菓子食べようとしてるけど、本当にお腹空いてるの?」
「食べるときの姿勢、大丈夫?」
「ちゃんと水分補給してる?」
「ゆっくり良く噛んで食べなさいよ」
と、囁いてくれる妖精を肩の上に召喚して、ノー腹痛ライフを楽しみたいものです。
今回はこの辺で、ごちそうさまでした。
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