[つまみ読む生活]vol.28 なければ作ればいい
「おはよう」のあなたも、「こんばんは」なあなたも、こんにちは。第28話です。状況になんの変化もなく、人に話すことも書くこともない毎日です。外に出ず、人に会わず、仕事の後はNetflixを見ながら寝落ちしています。ただ生き続けている感じです。なので少しでもイレギュラーなことが起こると嬉しいです。記事にできる!人に話すことが出来た!って。YouTuberみたいな心境になっている土曜日の14時です。
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小さい頃に好きだったスイーツが忘れられなくて、ずっと頭の中の手前の方で「あれ食べたいな〜」と思っていたものがあったのですが、その名前がわからないために15年くらいもやもやしていました。小学生の時に、お母さんに連れられて行ったカフェで食べた、粉砂糖たっぷりのふわふわもちもちの食べ物…。この前、ぼんやりインスタを見ていたらまさにその見た目のものが写っており、やっと名前がわかったのです。
いやあ、かなり興奮した。久々に心が動いた感じがしました。その名も、「ベニエ」。15年出会わなかったのもすごいけど、こりゃ考えても出てくる名前ではないですね。そして、よく行っていたお店は「カフェ・デュモンド」だと発覚。「よし、カフェ・デュモンド行こう。どこにあるんだろ〜」と調べたところ、2018年に日本撤退していたというショッキングな現実。なんということでしょう。(意外と最近まであったのも驚きですが)
ってことは、もうあの味は日本では食べられないってことじゃないですか!あんなに美味しくて魅力的なのに、今日まで全然名前を聞いてこなかったしパン屋でもカフェでも見たことがないのが不思議で仕方ない。なんで!?世の中にはいろんなスイーツがあって、割と食べたいと思った時にどこかしらで入手できるのに、ベニエ…どこにもない!!
「では、カフェ・デュモンドの発祥の地、ニューオリンズに行って食べてきます!」ってさらっと飛行機乗りたいけども、出来るわけもなく…。
「なるほど、こりゃ、自分で作れってコトだ、面白い。やってやろうじゃないか」
(最近、少年漫画読みすぎて心の中の人格がジャンプの主人公みたいになっている)
そうして、このつまらない日常にイベントの予定が出来たのです。そして今こうして意気揚々とこの記事を書いているのです。早速クックパッドを見ると「ニューオリンズに住んでいる弟から教えてもらった、カフェ・デュモンド風ベニエ」と、まさに求めていたど真ん中レシピを発見。シナモンロール作りですっかりモノにしたパン捏ね機をひっぱり出して作業開始。
強力粉やら卵やらを混ぜて、伸ばして、1時間寝かせて、四角く切って、揚げる。うまくできるか不安だったけど、膨らみ浮き上がりながらキツネ色になっていくそれらがもう可愛い可愛い。どんどん増えてきて合計30個くらい出来上がった。個人的に作る量じゃないない。そして出来上がったそれらを見て、思うのです。
「私が作るパンは、毎回デカくてむちむちになるな」
↑こちら2回目のデカムチ・シナモンロール
※シナモンロールを初めて作った時の記事(16話)もあるのでぜひ
私が知っているベニエは一口サイズだったよな、とか思いながらその3倍くらいの大きさの自家製ベニエを頬張る。お、美味しい。わ〜!!もう本物の味を思い出せないけど、これはこれで好きだ。いま私がベニエ屋さんを開いたら、一人勝ちするかもしれない。(ジャンプ的謎の自信)
もちろん本物だって食べたいけれど、「なければ作ればいい」の精神は自分の人生を豊かにするなと改めて思ったのでした。
今回はこのへんで。ごちそうさま。
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「つまみ読む生活」
食べるように読み、吐くように書きます。ここ3年、1年おきに人生がガラッと変わってる。
こや